ときこのお散歩日記

休日ひきこもりの社会人が外出+好きなものを整理するための日記

この国の空

雨の日なので籠って、映画観ました。この国の空。
期せずして、富田靖子に連続で出会ってしまいました。笑こちらの富田靖子は脇役で良い味出してる、とぼけた雰囲気の嫌な叔母役でしたが。

この映画でいちばん心ひかれたのは、主人公の母です。工藤夕貴が演じています。主人公の世間的にみると不適切な行動に、母としてとがめながら、女性として同情している…。あまり物語のなかでみたことのない、母親像なのですが、とても魅力的でした。頑なな雰囲気のなかに、色香のただよう女性で。

二階堂ふみ演じる主人公と、長谷川博己演じる相手役は不思議な味わい。突然どうしたんだ、と主人公の感情についていけなかったり、相手役の長谷川博巳の表情や話し方が個人的に面白くてツボに入ってしまって、誘惑者としての魅力が薄まってしまったり…。このあたりは個人的な感性によりますが。

主人公と相手役の男がしっかり向き合えていない印象というか。お互い相手を性的な記号でみている感じ。これは意図的なのかもしれません。

なので恋愛映画として観た場合には肩透かしな印象です。というか恋愛映画ではない。

でも娘の性的な逸脱を見守る母、見守られながら変化する娘、母の立場も娘の立場も無くしてしまった傍観者の叔母、の女性同士の関係を描いた作品として、とても面白かったです。
あらそいながら、ゆるしながら、共存する女性達。
恋愛ものが苦手な方にも、おすすめできます。